1、エミュレータ(1999/07/31作成)


コンピュータの進化にともない、フォーマットやプログラムが変わるなか、古いデータを新しい機械で使えるというエミュレータの技術の向上は微笑ましい限りだが、ゲームソフト等の作品が制作側にメリットの無い形で無断に遊べるという状況には賛成できない。

ただ、欲しくても手に入らない(制作側が再販をしてくれない)ゲームに関しては、問題無いと感じるのだが、少量でも生産してくれるのであれば、エミュレータの存在に疑問を感じる。

そう、生産さえしてくれれば、定価を超えるプレミアソフトは発生しない。どんなにプレミアがついても、メーカー側が得をするということはありえないのだから。

しかし、今後とも、倒産してしまった会社のゲームなど、再販できないゲームが出てくることは確かだろう。 


2、付属物の価値(1999/07/31作成)


マズイ表現もあるとは思うが、エミュレータの存在により派生する事象を書いておく。

「昔のあのゲームを遊びたい」と思うこともあるだろう。エミュレータの一般化に伴い、ゲームを遊ぶだけなら若干安い裸ソフトを買うよりも、エミュレータで遊べばただで済むのである。まあ、処理速度や音質、コントローラ等の入力デバイスに不満が残るのであれば仕方がないが・・・。

コレクターでなくても、初めて買ってもらったゲームや、昔はまったゲームなど、思いで深いゲームをたとえゲーム自体はエミュレータで遊べても完全な状態で持っていたいという感情はあると思う。むしろそうであれ(命令形)。

だが、エミュレータで遊ぶ際に、説明書やパッケージイラストなどは殆ど見ることができない。エミュレータで遊べる状況下、ソフト本体にはたいした価値が無く、裸ソフトは安くてもパッケージや説明書があると高いという場合がある。

簡単な理由が、パッケージや説明書だけの入手方法は存在せず、欲しい場合はソフトごと買うしかないからである。

ファミコンリサイクルショップで存在した「箱、説明書は各々100円」というのは既に幻想でしかないのが現状である。 


3、秋葉原の実像(1999/07/31作成)


秋葉原は一般の人にどのように見られているのだろうか。

「秋葉原では欲しいソフトが見つかる。」

たしかに間違いではない、地方では既に扱わなくなったファミコンやPCエンジン、メガドライブなどのレトロハードも扱っているので、大体のソフトは見つけることができる。

ただし、それが商売として成り立っているのを見ればわかるとおり、どのソフトも投げ売り的な値段ではない。方々探しまわって見つからず、どうしても欲しいゲームには高い金を払ってでも良いという気持ちは解る。しかし、逆に店側は高い値段をつけてでも店に置いておけばそういう客が買って行くことを知っている。

「相場は客が決めるもの」とは、高額ソフトを扱っている店の常套句である。

買い取り値は在庫の数に大きくかかわってくる。在庫が多くあれば買い取り値は下がり、在庫が少なく、買い取りが少ない(もしくは無い)様であれば買い取り値が上がる。入っては来るがすぐ売れるので在庫の少ないゲームは、売値を上げても買う客がいる。売れ行きが悪くなったり、他店の値下げなどによる価格低下時の損害対策にもなる。「相場は客が決めるもの」、聞こえは良いが、保身のための言葉であるともいえよう。

雑誌や口コミで評価の良かったゲームを血眼になって買い求める一般コレクターのために、特定のゲームのみ、店から消える。入荷してもあっという間に売れる。買い取り金額を上げないと入荷しない。よって、必然的に売値も上がる。

そんな事が短期間に繰り返される街、それが秋葉原である。

 


4、高いゲームは良いゲーム(1999/07/31作成)


「高いゲームは良いゲームで周囲に自慢できる」などという思想を持った方たち。

彼等にとって、ゲームは持っていることがステイタスであり、プレイは二の次、もしくは価値が下がるのでやらない。ゲームを安く買うことより、高いゲームを買うことの方に重点がおかれている。コレクターであってゲーマーではない。

私は、彼等が真にゲームを愛しているとは思っていない。エラそうな事を書いてはいるが、安い値段でソフトを買う私も、真にゲームを愛しているとは言えない。 


5、プレミアソフト(1999/07/31作成)


プレミアでの有名ソフト『メタルスレイダーグローリー』。一般に最高プレミアソフトと言われているが、高いお金さえ払うことができれば入手するのは簡単だ。それは、有名であり、高く売れるという暗黙の了解があり、所持する側も大切に保管するからであり、現存数は決して少なくない。

だが、たとえお金を余るほどもっていたとしても入手の可能性が低いゲームもある。別に人気があるわけではなく(いや、むしろ全然無い)、生産本数自体が少ないので、中古には殆ど流れない。

発売日に狙って買わないと手に入るかどうかわからないゲームもある。FC『暴れん坊てんぐ』などはその例で、目敏いマニアが買って行ってしまう。発売当初からパッケージを目にしなかったソフトも少なくはない。もちろん、ハードが目立たない時期に生産されたものが殆どだ。ハードの末期のソフトは問屋が最初から仕入れない。事実、末期メガドライブソフトなどは、予約分か秋葉原くらいにしか存在しなかった。