16色での画像表現

(ロストテクノロジー)

管理日記1999/04/30より


色数です。

パソコン初期の8色や16色による画像表現、ドット絵の技術は評価に値します。(妙に肌色関係が充実したパレットばかりでしたが)たったの2色で7段階ものグラデーションを出していたりと、職人のなせる業でした。

現在、少ない色数のドット絵はゲームボーイ等の携帯ゲーム機くらいのもので、今後さらに減って行く方向にあります。

ハードの性能が上がり表示色数が増えたのは良いのですが、それによって起きた弊害、グラフィックのデータ量の増大、ロード時間の延長は無視できません。

とりあえずドリームキャストくらいデータ転送が速ければ気にならないかもしれませんが、もし、少ない色数で同じことをすれば、さらにロード時間が短縮できると思います。

もちろん色数が重要なゲームに関しては意味がないのですけど、色数を多くしない方が良かったと思うものもあります。例としては『ボンバーマン』ですね。SFCになってキャラクターにグラデーションがかかってテカテカしたものになりました。PCエンジン版やFC版のように少ない色数で描かれていたものの方がカワイイと思ったのは私だけではないハズです。どんどんリアルになって行き、ついには初代(FC版)のパッケージ(爆弾男は除外)のように…というのは冗談ですけど。

 

どんなにハードが良くなっても、それにつられて無駄にデータ量が多く、重いゲームが作られてしまい、結局今までと大して変わらないのではないでしょうか。

『ロックマン』を例に取ると、16bit機であるMD版に移植されたものが、元である8bit機のFC版より遅いのです。変だと思い調べて見たところ、色数を多く使っているために遅くなっているらしいということ。MD版は、ロックバスターのスピードがFC版より遅く、敵によってはFC版と同じ速さで動くというわけが解らず辛いだけの移植でした。

数倍きれいにモデリングされたオブジェクトのおかげで、移植元よりロード時間が伸びたり処理落ちしたりと、ポリゴンでも同じような現象が起こるのではないでしょうか。

背景に多くのポリゴンを割かず、カクカクしたポリゴンでもいいですから、スピード狂の為のゲームを作ってはもらえないでしょうか。普通の生活では絶対に味わえない超高速の世界。いいと思うのですけどね。

 

ハード性能が向上するに連れて、RAMが増えたりCD-ROMになったから容量削らなくてよい。表示性能が上がったから色数減らさなくてよいなど、圧縮技術が重要視されなくなってきました。

PC-FXで、アニメ絵は無駄に多くの色数を必要としないが、何故かセル取り込みで荒い絵だったという現象がその最たる例なのではないでしょうか。

 

パソコンではハード性能の上に蓋をする形で今のOSが乗っています。そのOSの上でソフトが動いているわけです。OSが重ければソフトはすべて重いことになります。

ワープロソフトを使うだけなら昔のOSの方が起動も入力も早いです。

昔(MSX程度の時代)、「どうやって作っているんだ」と私を驚かせてくれたゲームはマシン語でハードに直接命令を出していたわけで、シューティング等は異様に速かった覚えがあります。

今の子供たちには表示色数が増えた感動や、ハード性能を超えたソフトに対する驚きが少ないので、若干かわいそうだと思うのでありました。