「喝を入れる時間」

我が管理日記の中でも、非常にうけのよかった「喝を入れる時間」を#1〜#10までまとめました。

リアルタイムで読んでしまわれたかたには追加がなく大変申し訳ありません。忘れた頃にでも読み返してみてください。読んだときの記憶がよみがえります(ダメじゃん)

・・・それではお楽しみください・・・


#1 FC『ゲバラ』

(1988/12/26 SNKより発売)

こんにちは、ゲームバカ一代松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

最初に槍玉に上げられるのは『ゲバラ』です。が、オープニングに出る「キューバ革命の英雄チェ・ゲバラに捧ぐ」という文字や、”アメリカと対立する社会主義革命をモチーフにした戦争ゲーム”という部分は、長尾剛著『これが噂のC級ゲームソフトだ』で取り上げられているので割愛させていただきます。

よって、歴史的、政治的背景など全く気にせずに、ゲームを純粋に遊んだ感想ということでもうひとつ大きな問題が存在するのでご紹介いたします。

このゲームには捕虜がでてきます。人柱のごとく盾にされているので、真面目に慎重に救出して行こうとすると時間がかかる上に難しいです。ですが、説明書にあるとおり、助けると1000点で、殺してしまうとマイナス500点となります。ヒドイ言い方をすると、「二人殺しても、一人助けられればプラスマイナスゼロ」なのです。殺してしまった場合、マイナス500点という以外には、なんのペナルティもありません。

点数を気にしなければいくらでも敵味方関係なく虐殺の限りを尽くせるのです。このプレイ方法はスピーディーかつ爽快感が感じられますが、罪悪感を感じない強い心も必要だとか・・・。

そして、たとえ自らの手で捕虜をいくら撃ち殺していたとしても、クリアすれば見事英雄扱いされるのです。捕虜を殺しておいて英雄はないでしょう。これはいくらなんでもマズイのではないでしょうか。

うかばれない捕虜に合掌するとともに、問題ある企画に喝をいれておきましょう。

余談ですが、ボーナスステージ部分(トロッコ面)で、トロッコに乗りながら炭鉱内に縛りつけられている捕虜をロープで救出(回収?)するのも問題ですが、そこで銃を撃つことができるのもかなり問題なのではないでしょうか。

実は、『ゲバラ』ではウラワザで『サスケVSコマンダー』を単純にしたものが遊べますので、レトロゲームファンにはたまらないかもしれません。


#2 MD『サイオブレード』

(1990/04/27シグマ商事より発売)

こんにちは自称「Freaks」松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

このソフトはT&E SOFTがパソコンで発売したスペースアドベンチャーゲーム(1988/11/19発売)をSigma(シグマ商事)が移植したものです。ちなみにROMの容量は5Mです。

エニックス(FC版はキングレコード)の名作『ジーザス』を思い出させるような世界観で、元のパソコン版は設定も多く、マニュアルにフルカラーマンガまで存在するほどの凝りようでした。当時、パソコン版『スナッチャー』(1988/11/26発売)と肩を並べていた作品といえばその凄さが伝わるのではないでしょうか。

しかし、MD版はただの移植ではありません。究極の劣化移植です。

まずアニメーションが無い(と言ってよいほど少ない)。売りの一つであった二人の主人公の片方が削られ、地上編が存在しません。よって、研究所の3D迷路のアクションシーンがシステムごと存在しません(地上編が無いということはシャワーシーンや、エッチ本を取ることができないということでもあるが、ま、それはコンシューマ機なので無くてあたりまえといえばあたりまえである。)。パソコン版でのイベントクリアで必要不可欠だったメロディー・モジュール(オルゴールのような物)が付属していません。イベントごとなくなっています。それなのに定価は300円しか違いません。

結果、選択肢を選ぶだけのなんの変哲もないつまらないボタン押しゲームになっています。それどころか、地上編など、いくつものシーンが削られているので、メッセージの量も半分以下、いや、4分の1以下です。

そのうえ、扱いの難しいMDの音源を使いこなしていないとなると・・・。このソフト、もとのゲームの良いところを殆ど捨ててきてしまっています。

 

ですが、それだけでは終わりませんでした。モンスターから逃げるシーンで、手当りしだい物を投げられる場所があるのですが、全て投げてしまうと必ずストップバグが起こります。リセットするしか方法がありません。正解は投げずに『逃げる』なのです。投げてはいけないイベントアイテムかというとそうでもないのがさらに謎です。この辺の詰めの甘さがSFC『摩訶摩訶』(1992/04/24発売)につながっていったのでしょう。(独断)

 

それでは、元になったT&E SOFT版はクズではないという事実を公表するとともに、すべての元凶であるSigma(シグマ商事)に喝をいれておきましょう。


#3 FC『源平討魔伝』

(1988/10/22 namcoより発売)


こんにちは「無職穀潰し」松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

『源平討魔伝』と言えば、アーケード(1986/10稼働開始)では、ビッグモードの驚くべきデカイキャラ(パンチアウトなどの画面いっぱいの透明キャラやベクタスキャンモニタを使用したゲームは除く。)や異色な世界観、サンプリングボイス、平面モードやスモールモードなど多彩なレイアウト、ルートを選べる上に数多い面数など、さまざまな部分でマニアを唸らせた作品です。

それがFCに移植されたのですから、ファンは買うしかありません。

発売日にゲームショップへ行き、「やけに、大きい箱だな。」と一抹の不安を感じるも、箱の文字を見て、「ほう、ボードゲームがオマケについているのか(当時、namcoはスーパーゼビウスやワルキューレの冒険など、いくつかのボードゲームを販売していた。)。namcoさんも豪快だなあ。」などと勝手に納得しながら買って帰り、電源を入れてみて初めてゲーム内容までボードゲームだと知り、

だまされた!

こんな思いをした人が何人いたことか。

アーケードの興奮はここにはない。あるのは別のゲームとして受け入れるか、中古ショップに売り飛ばすかの選択肢のみである。

そんなわけで、全然別物のゲーム内容に『源平討魔伝』という名称を変更もサブタイトルの追加もなしに、そのままつけてしまったnamcoに喝をいれておきましょう。

以後発売されたPCエンジン版『源平討魔伝』(1990/03/16発売)は、マニアもとりあえず納得の出来映えだったのだが、すでに後の祭・・・。


#4 PC-E『パズルボーイ』

(1991/02/22 日本テレネットより発売)


こんにちは「わんぱっくコミックス収集家」松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

このゲームは、GB『パズルボーイ』(1989/11/24ATLUSより発売)をPCエンジンに移植したものです。

一応FCディスク版(1990/11/16発売)も存在します。

とりあえず、PCエンジン版だけに存在する気色の悪いキャラクターグラフィックは我慢するとして、問題はバグです。終盤に、穴の上にブロックを置いてもどうにもならない面があります。

本来なら、穴にブロックをはめ込んで床にできるのですが、(事実、同じ面構成のGB版の面ではクリアできた。)ブロックが空中に浮いたままでどうにもなりません。

正直こんな理由でクリアできないのはムカツクので、パスワードを解析して、その面をクリアしたことにして続け、どうにかエンディングを見ることができました。

あれはいけません。完全にバグです。何故回収事件にならなかったのかが謎です。

バグったソフトを販売した日本テレネットに喝を入れておきましょう。


#5 MD『カース』

(1989/12/23 micronetより発売)


こんにちは「旧世代オタク」松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

5回目である今回のゲームはMD『カース』です。

それでは次回までごきげんよう。(オイオイ)


#6 FC『魔界村』

(1986/06/13 CAPCOMより発売)


こんにちは「生涯一オタク」松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

カプコンのゾンビものと言えば『ヴァンパイア』シリーズのザベルと、この『魔界村』のザコキャラですね。(偏見)

そんなことはさておいて、オープニングです。真っ暗な墓地でアーサー(パンツ一枚)とプリンセスは何かをしています。そして、サタンがプリンセスを連れ去ってしまいます。

「オマエらそんな場所でいったい何をしていたんだ?」

これはおそらく永遠の謎なのでしょう。

人目をはばかり墓地などで密会していたところを連れさられたとあっては協力を求める訳にもいきません。結果、単身のりこむはめになったなどと勝手に想像してしまうは私だけではないハズです。後ろめたさが見え隠れする主人公、そんなことだからレッドアリーマーに主役を持っていかれるんだよな。(独断)

ちなみに、あのプリンセスは「プリンセスプリンプリン」という名前です。ナメきってますね。関係ありませんが、「ファイナルファンタジーIV」の最終ダンジョンの隠しザコキャラは「プリンプリンセス」です。

 

話しがそれてしまいましたが、お姫様を救いに行くという一見ありがちなストーリーです。しかし、原因は主人公?と思わせてしまうオープニングが問題です。ゲーム自体は難しすぎる感もありますが良くできていてじっくり楽しめます。それだけに、どう考えても異常な「暗がりの墓地」というシチュエーションだけには喝を入れておきたいと思います。


#7 PC-FX『ときめきカードパラダイス恋のロイヤルストレートフラッシュ

(1996/01/26 ソネットコンピュータ<現レイ・アップ>より発売)


こんにちは「不良品ゲームハンター」松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

このゲームは不良品です。

売りであるアニメーションが、動画再生機能に優れているPC-FXでありながらSSやPSで表示できるくらい激悪であるとか、PCエンジンの『カードエンジェルス』のほうがまだ遊べた(注、『カードエンジェルス』は、スピードで相手の速さが尋常でなかったり、ポーカーで相手がちょくちょくロイヤルストレートフラッシュを出したりするので、遊べたかどうかは不明)とか、インターフェースが無茶苦茶だとか、そういった些細なことであれば不良品とまでは呼びません。

このソフト、なんと唯一完璧でなければいけないハズのカードゲームのルールが不良品だったのです。

例をひとつあげると、ポーカーでA2345と揃ったのに役がつきませんでした。相手のワンペアに負けました。なんども画面を見直しました。確かにA2345と揃っています。

ブチ壊そうかと思いました。

これはゲームセンターの脱衣麻雀でしょっぱな天和を出されて負けたとき以上に納得ができないのではないでしょうか。

表示されているカードが役を持っているハズなのに役が認識されないという現象が低い確率で起こります。どういったプログラムを組めばこのようなバグが起こるのかは解りません。もっとも、何回もプレイする気は起きないのでそんなにやってはいませんが、少なくとも3度は見ました。せめてルールくらいは完璧にデバッグしておいてほしかったものです。

不良品を販売したソネット・コンピュータエンタテイメント(現レイ・アップ)に喝を入れておきましょう。

(PC-FXのなかでも群を抜いて入手困難なこのソフトは、秋葉原で19800〜29800円の中古値段がつけられているらしいです。間違っても買ってしまわないように。)


#8 業務用『チェルノブ(ATOMIC RUNNER CHELNOV -戦う人間発電所-)

(1988/01 DECOより稼働開始)


話題は放射能汚染!(1999/10/01東海村の核分裂事故の時事ネタ)

こんにちは「不謹慎野郎」松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

8回目である今回は、放射能汚染ということでアーケード版『チェルノブ(ATOMIC RUNNER CHELNOV -戦う人間発電所-)』(1988年1月稼働開始)です。

レッツランニング

放射能といったらDECO(データイースト)様を忘れてはいけません。

『超クソゲー』で箭本氏が書いた、ゲーム界で一番気まずいシチュエーション『サイバーブロール』(宇宙船の事故で脱出カプセルを奪いあい殺しあうという対戦格闘ゲーム)にはかないませんが、このゲームのシチュエーションもかなりキています。<原子力発電所の事故の爆風の下にいた炭鉱夫チェルノブは異常な能力を発揮するようになっていた>というものです。

「全く関係ありません」(当時の社長のコメント)ということで関係ないのですが(笑)、某原子力発電所チェルノブ○○の大事故は1986年でした。

このゲーム、マニアは電撃ムチをうまく使って方向転換ボタンを使わずにクリアしましょう。(対土偶戦もボタン不使用で攻略可能)

唯一のコンシューマ版であるMD『チェルノブ』はサブタイトルやストーリーデモが無くなり、いい感じに毒が消えていました。そりゃさすがにマズいわな・・・。

X68000版なら問題ない(なにが?というツッコミはなしね)らしいです。

LET'S GO GO GO

しかし、おしむらくは製作され完成していながら販売されることのなかったSS版『チェルノブ』である。売るなら今だ!話題に便乗して出してくれDECO様!不謹慎であろうとも俺は買うぞ!

 

というわけで、不謹慎きわまりない私とこのゲームの企画者ならびに製作販売したデータイーストに喝をいれましょう。

不謹慎ですみません。

(このゲームに出る「赤城山ミサイル」という武器もすごいネーミングセンスだよな・・・。)

 


#9 PS&SS『コナミアンティークスMSXコレクションシリーズ

(1997/11/20〜1998/07/23 KONAMIより発売)


こんにちは、自称「ゲーム研究家」松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

9回目である今回は、『コナミアンティークスMSXコレクション』シリーズです。

当時のコナミMSXソフトリストはコラム&リストを見てください。

このシリーズの移植度はMSX版を忠実に再現していてかなりよいです。ただ、忠実すぎて難易度変更等の追加機能もなにもありません。

その他、元のMSXで存在したカートリッジ2本挿しの特殊機能などは移植されませんでした。

例、

『グラディウス2』に『魔城伝説IIガリウスの迷宮』を挿す通称「復活モード」

『イーガー皇帝の逆襲』に『イーアルカンフー』を挿す通称「ウーロン茶モード」

 

このソフトを購入する9割以上はマニアなのですから中途半端はいけません。

『グラディウス2』の難易度は今のゲーム等とは比べ物にならないほどおそろしく高いです。「復活モード」があったとしても、簡単にクリアできるものではありません。そのうえ、『沙羅曼蛇』にいたっては、一度やられると人間のプレイするものではないほどです。

ゲーム下手でも最後まで遊べるように(見られるように)、『10倍楽しむカートリッジ』の機能や、『新10倍カートリッジ』を挿しての強制セーブなどはあってほしかった機能です。

せめて最後までストーリーやらゲーム内容を知ることのできるソフトであれば、ルーツを知ることができるといった面で、売り上げが伸びたのではないかと思います。

ユーザーの気持ちを理解していなかったコナミに喝を入れておきましょう。


#10 PS『ザ・マスターズファイター』

(1997/11/20 シネマサプライより発売)


こんにちは、自称「パクリゲーム批判家」松原圭吾です。さまざまな観点から、あのゲームこのゲームに喝をいれる時間がやってまいりました。

10回目である今回は、一部で有名なPS『ザ・マスターズファイター』(1997/11/20シネマサプライより発売)です。

「ザマス」

私がつけた『ザ・マスターズファイター』の略称です。

このゲームは究極のパクリゲームです。

半年以上前に、ヴィ・マックス刊『ザ・マスターズファイターOFFICIAL STORY BOOK(序章編)』(1997/11/10発行ISBN4-916127-62-5)という本を古本屋で見つけました。

オープニングのマンガは、ホビージャパン刊のコミックスなどで有名なみなぎ得一さんで、メインの小説はマスターズファイタークリエイティブチームということになっていて、個人名が記載されていません。

この本によると<海外で人気を博したアーケードゲーム『MASTERS FURY』の日本の家庭用ゲーム機移植版。>・・・らしいです。その下には<本書の小説は日本移植チームによるオリジナルストーリー。開発中に特に人気の高かった3人にスポットをあててみました。>という文があります。「開発中に」という部分がポイントですね。

なんといっても登場キャラクターが凄いのです。

北沢タクヤ(グラフィック<キム・カッファン>設定<テリー・ボガード&リョウ・サカザキ>)

ロン・ヴェイ(グラフィック<シュラ>設定<ロバート・ガルシア&ドラゴン>)

ミシェール(グラフィック<ミシェール>設定<春麗>)

J(グラフィック<ガイル>設定<キング>)

Mr.DEATH(グラフィック&設定<タクマ・サカザキ>)

アザール・ウィッツ(グラフィック&設定<Mr.BIG>)

ビル・ガーデス(グラフィック、設定<ジャック・ターナー>)

カイン・ザハート(グラフィック&設定<ギース・ハワード>)

カン・ティ・コン(グラフィック&設定<タン・フー・ルー>)

ガンプ(グラフィック&設定<フランコ・バッシュ>)

坂本辰之助(グラフィック<柳生十平衛>設定)

?ラスボス(グラフィック<不知火幻庵>設定?)

オリジナルキャラがいません。ゲーム本編では必殺技までパクっているあたりがなんとも言いがたいです。

 

この本を有名業界人である某氏に見せたところ、「ナニこれ、同人誌?」と言われました。

某氏は本を出版しようと奔走していた頃で、1万部売れないと採算がとれないらしく苦労をしていました。そんなときに、こんな100冊も売れないであろう本が出版されていることを知って、気分が良いわけがありません。

しかし、こんな本でもれっきとしたマルチメディア展開の一部です。この本の他にもCDが2種類出ている模様です。

パクったソフトを販売したシネマサプライに喝を入れておこうかと思いましたが、もうこの会社は存在しません。会社はなくなっても生きているであろう移植(?)を企画した人間と、OKを出した上層部の人間に喝をいれておきましょう。

それでは次回までごきげんよう。